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「犬の肉球ブログ(連載中)」
【桃子編】 一 たまごの夏

犬の肉球ブログ 桃子編一 たまごの夏 第五話

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一 たまごの夏 第五話

 関東一円の学校に忍び寄る黒い影。その魔手はQQ学園にも迫ってきた。新任の女教師鵺鬼玲子は、その色香で男性教師と男子生徒を誘惑し、情欲に溺れさせる。女子生徒は薬漬けにして男にあてがい、ついに学園を裏面より支配した。そんなある日、QQ学園に一人の転校生が現れる。名を真田真帆。風魔一族の末裔である彼女は、政府の特務機関からの密命により、学園に派遣された刺客だった。かくして学園の闇の支配者鵺鬼玲子と風魔くノ一真田真帆の戦いの幕が切って落とされる――。

 なんなの、これ?
 桃子はそれ以上『背徳の女教師』のストーリーを読む気になれなかった。せっかく亜衣が入手してくれた資料だが、読めば読むほどやる気が失せてしまいそうになる。もうオーディション当日だというのに、気合も緊張も全然足りない。

 出発するにはまだ少し時間があったので、テレビをつけてみると、東京と神奈川の境目近く、大田区蒲田の外れ辺りの建設現場で戦時中の不発弾が見つかった、というニュースが流れていた。映像はヘリコプターからの生中継で、ちょうどこれから専門家が処理を開始するところらしい。

 こっちを見ている方がよっぽど気合も緊張も入るわ。
 暫くニュースを見ていたが、なかなか作業が進まないようだ。そのうち出かける時間になってしまった。このままテレビを見続けようか、と半分本気で考えたが、なんとか思い直して出発した。

 JR飯田橋駅近くの、あまり大きくないホテルのイベントホールや会議室がオーディション会場となっている。
 ロビーには大きく『背徳の女教師オーディション会場』と表示されており、少し恥ずかしい。
 受付を通って、控え室として使っている会議室に入ると、既に成美と美沙がいた。
 間を置かずして、オーディションが開始される。亜衣の情報によると今回の応募者は約六十名、一次審査である書類選考をクリアした者がここに集まっている。ざっと周囲を見渡すと、四~五十名といったところだ。ここで二次、三次審査が今日のうちに執り行われる。
 スタッフが審査の説明を開始する。二次審査は三名ずつのグループに分かれての面接。それを通過した者は、最終段階である三次審査を受ける。三次審査では演技力をみるため、簡単な台本が渡されるとのことだった。

 二次審査のグループ分けが発表された。極めて安直な分け方で、単にエントリーナンバー順に並べて三人ずつに区切ったものだった。しかもそのエントリーナンバーはどうやら申し込み順に付けられているらしい。三人で一緒に申し込んだ桃子は、成美、美沙と同じグループになってしまった。
「うう、やりにくいなあ」三人がほぼ同時にため息をついた。

 予定されている二次審査の時間は全体で一時間半程度だった。グループがだいたい十五前後あるから、一グループあたりの持ち時間は五~六分。一人頭で計算すると二分弱。短時間で審査員の質問に答えたり、自己アピールしたりしなければならない。どうにかして他者より目立つことが大事だ。知り合いが同じグループにいると意識してしまうからやり難い。

 桃子たちの番が来た。審査会場であるホールに向う。実際に行ってみると、ホールというほど広くはなく、小さな宴会場といった感じだった。中に入ると左右に数人のスタッフが立っていて、正面奥には横長のテーブル。そこに審査員らしき人物が四人。全部男。

 両端の二人はスーツを着て、真面目そうな感じの中年。中の二人は、左が痩せた長髪で全体に乾いた感じ。右は太った薄毛で湿った感じ。たぶんどちらかが監督なのだろう。
 テーブルの上には選考書類らしきものの他に紙コップと、ポテトチップの袋が二つ開封され、太った薄毛の右手が頻繁に袋と口の間を往復している。
 桃子は一目で「ハズレだ」と思った。

 審査員がキムラモモコさん、と呼んだ。太った薄毛だった。
 桃子はキムラトウコと読みます、と答えた。
 へえ、変わってるね、と審査員。
 それから成美や美沙とも幾つかやりとりをして、再び桃子の順番が来る。
 次、キムラモモコさん。
 トウコです。
 あ、そうだったよね、ごめん。
 それからまた暫くして桃子への質問。モモコさんはどうですか? 
 ぶちっと何かが切れる音がする。
「モモコなんかじゃありません! いい加減覚えてくれませんか。私の名前は『トウコ』です! ト・ウ・コーっ!」

 その場で笑い転げる成美と美沙。
 結果は三人とも撃沈。

(第六話につづく)




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